2007年4月11日 (水)
お茶の旨みを引き出す黒いヴェール“寒冷紗”の謎
4月9日 有明町で撮影
“寒冷紗”に覆われたお茶畑
あれれ?せっかく新茶が育ち、摘採を間近に控えたお茶畑に、真っ黒な布がかけられています。この布は“寒冷紗(かんれいしゃ)”といいますが、皆様ご存知ですか?
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もともと、寒冷紗とはその名前が示すとおり、お茶の樹の上にかけることで新芽を霜の被害から防ぐための設備として使用されてきました。
でも、これまでにお伝えしてきたように、防霜ファンやスプリンクラーなどの防霜法が発達してきたこともあり、霜を防ぐ目的で寒冷紗を使っている風景を見ることは少なくなってきています。では現在、寒冷紗はどんな目的で使用されているのでしょうか。今回は、寒冷紗が引き出すお茶の生命力の不思議についてお話します!
4月9日 有明町で撮影
見てください!見渡す限りのお茶畑が真っ黒!
新茶の新芽は大丈夫??
植物が光合成を行っていることは、皆様も小学校の理科の授業などで習ったことと思います。お茶の樹も、お茶の葉に存在する葉緑素を使って、葉に受ける日光と空気中の二酸化炭素、さらに根から吸収する水から、成長に必要な栄養分をつくり出しています。
寒冷紗のように黒い幕をお茶の樹にかけるということは、お茶の葉にそそぐ日光を遮断することになりますよね。「植物の成長に必要不可欠なはずの日光を遮っちゃうなんて、大丈夫??」って、皆様も心配になりませんか??実は私も、最初はそんなふうに心配したんです。
そしてここからが、驚きの事実!70%以上もの日光を遮られたお茶の葉は、黒い幕の下で成長に必要不可欠な日光を求めて力強く葉を広げ、さらに光合成に使用する葉緑素をぐんと増やすそうです。そのため、茶葉は新芽独特の黄緑色から、鮮やかな緑色に変化するんです。
もちろん変化は茶葉の色のみにとどまらず、葉緑素が増えるのと共にお茶の旨みを左右するアミノ酸などの旨み成分も増加し、お茶を淹れたときの水色も良くなるそうです。すごいですね!
寒冷紗をかける伊藤園との契約農家のみなさん
私も寒冷紗をかける作業を、実際に体験してみました。寒冷紗は、お茶畑のひとつのうね(※)を丸々カバーするほどに長いので、丸めた状態のものを運んだりかけたりする作業は、2人のチームで行ってもかなりの重労働です。でも、おいしく高品質なお茶をつくるためには、欠かせない作業なんだそうです。
※うね・・・畑で農作物を育てやすくするため、細い直線状に土を盛り上げたもの
寒冷紗は主に九州地方で多く使用されており、これは各茶産地における日照時間の差や、植え付けているお茶の樹の品種の違いが関係しているそうです。ここ有明町の場合、新茶時期には摘採の5日から7日ほど前からお茶畑に寒冷紗をかけておき、寒冷紗を取り除いたら、お茶の葉が葉緑素を元の状態に戻さないうちに素早く摘採を開始します。
寒冷紗を取り除いたとき、お茶の新芽がどのように変化しているのか楽しみですね!後日、その変化がわかりやすいような写真をお見せできると思いますので、お楽しみに!
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「茶畑日記 こぼれ話」
4月3日18:30頃 有明町で撮影
夕暮れ時のお茶畑を写真に撮ってみました。ここのところ、ずいぶん日が長くなってきましたね。日中には、汗ばむような日差しを感じる日もあります。
春の陽気は、私の心に新茶の到来を予感させてくれます。早く、「お~いお茶 新茶」を飲みたいな!






















コメント
真っ黒な茶畑すごいですね!
農作業も機械化が進み、又分析計による化学的な旨みの裏付け等いろいろ進化していますね。
それでも最終的には人間の感覚がものをいう。
自然とお茶農家皆様の共同作業の賜物の新茶を早く
頂きたいです~!
投稿: K・Y | 2007/04/12 13:47:10