2007年8月 7日 (火)
お茶の樹の品種のお話
お米にササニシキやコシヒカリなどの品種があるように、お茶の樹にも驚くほど多くの品種があり、味や香り、見た目などそれぞれ独特の個性を持っています。今日はお茶の樹の品種についてお話します!
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まずはじめに、お茶すなわち“チャ”とはどういう植物なのか簡単にお話しさせていただきます。チャは、学名をカメリヤシネンシス,Lといい、ツバキ科の中のツバキ属の永年性常緑樹(※)です。その起源は、現在では中国の雲南省などの中国西南地域を起源とする説が有力とされています。
※永年性常緑樹:毎年、年間にわたって葉をつけている植物
チャの品種を大きく2つに分類すると、背が低くて葉が小さく主に緑茶の原料になる“中国種”と、高木で葉が大きく、主に紅茶の原料になる“アッサム種”に分けられます。日本においては寒さに強い中国種の中から、1200年前に伝わってきてから長い時間をかけて多くの品種が研究の末に開発されてきました。
今回は、50種以上と言われるお茶の品種の中から鹿児島県で育てられている主要な品種に注目して、鹿児島県志布志市有明町のお茶農家、堀口千郎さんに解説していただきます。
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【やぶきた】~日本の茶業に貢献してきた緑茶の代表選手
(写真をクリックすると大きく見られます)
千郎さん「やぶきたは栽培する土地への適応力が高く、全国に広く普及しています。全国のやぶきた栽培面積は38,500haで、日本のお茶の栽培面積の実に77%を占めています。
日本茶の代名詞的な品種として、日本人にとって最も馴染みのあるお茶の品種と言えます。皆様も、やぶきたという名前を一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
お茶の葉は長い楕円形をしていて、強い光沢があります。またしわが多く、成長する過程で葉が内側に巻き込むという特徴があります。味や香りなどの総合的な品質が優れており、長年日本人に愛されてきた品種です。」
【ゆたかみどり】~四季の到来を告げる新茶のトップランナー
千郎さん「ゆたかみどりは、やぶきたに次いで全国での培面積の多い品種で、九州地方の特に鹿児島や宮崎で盛んに栽培されています。摘採時期は早く、やぶきたよりも5日ほど早く芽を出して収穫されます。全国でも摘採時期の早い鹿児島県においても、早いタイミングで摘採されるんですよ。
このお茶の出来栄えが、一年を通じてのお茶の品質を占う判断材料になります。私たちにとって、非常に重要な意味合いを持つお茶と言えるでしょうね。
本来渋みの強い品種ですが、寒冷紗(※かんれいしゃ)を被せて栽培し、荒茶加工のときの蒸し時間を長くすると、非常に濃厚な味と良い水色になります。葉の形は卵型。葉肉が厚いので蒸し時間を長くしてもお茶の葉の形が崩れにくく、近年高い評価を得ている品種です。
深く(長く)蒸すことが多いので、淹れるときは少し低めの約80℃の温度で、抽出時間も40秒くらいに短くすると、深蒸し煎茶の長所が良く出ておいしく淹れられます。」
※寒冷紗:日光を遮るためにお茶の樹に被せる黒い幕。茶葉の葉緑素を増やし、淹れたときのお茶の色や旨み成分などをアップさせます(寒冷紗にかんして、詳しくはこちらをごらんください)
【おくみどり】~品質良好で霜に強い、お茶農家の強い味方
千郎さん「萌芽期(ほうがき※)がやぶきたよりも11日、摘採期は8日ほど遅い品種です。このおくみどりのように、やぶきたと比べて摘採の遅い品種を“晩生(おくて)品種”と呼びます。
早稲と晩生、その中間の“中生種(ちゅうせいしゅ)”など、摘採時期の違う品種を意図的に組み合わせて栽培することには、非常に大きな意味があります。同じタイミングで、あまりに大量のお茶の葉を摘採するのは大変です。そこで摘採期を分散させることで労力の分散を図り、また摘採期自体を延ばして収穫量自体も増やすことが出来ます。
品質に関しては、味が強く、香りは爽やかで非常に良好です。おいしいので、私もよく自宅で飲むんですよ。私のお気に入りの品種のひとつです。」
※萌芽期:一定面積内の新芽が萌芽を迎えた状態。詳しくはこちらをごらんください。
【さえみどり】~栽培面積増加中 注目の早稲品種
千郎さん「葉の形はやぶきたのように長楕円形で、その他の特徴もやぶきたとよく似ています。品種として登録されたのは1990年の、比較的新しい品種です。
摘採期はやぶきたよりも4日~7日早い早稲品種(わせひんしゅ)。鹿児島ではゆたかみどりと並んで、私たちにいち早く新茶の香りを届けてくれます。
早稲品種の宿命で遅霜(おそしも)の被害には注意が必要です。また、摘採時期の調整も慎重に行う必要があります。しかし品質に関しては非常に評判が良く、上品な香りと豊富な旨みがあり、その反面渋味は少ない優良品種です。生まれ故郷の南九州を中心に栽培されてきましたが、現在では静岡や関西地方でも栽培面積が速いペースで増えている人気品種です。」
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現在、有明町では三番茶の摘採の真っ最中なのだそうです。千郎さん、お忙しい中ありがとうございました!
いかがでしたか?今回紹介させていただいたのは、たくさんの緑茶の品種の中のほんの一部です。それでも、緑茶が品種ごとにこんなに強い個性を持っていることに驚きました。緑茶って本当に奥が深くて、面白いですよね。






















コメント
お茶の品種がこんなにあるなんて初めて知りました。
これまでは、「採れる産地によって味がちがう」くらいにしか思っていませんでした・・・。
しかも、「やぶきた」は静岡のお茶、「宇治茶」は京都、「八女茶」は九州・・・など、品種も産地もごっちゃにして、めちゃくちゃ勝手な認識でしたから。
今回はとってもお勉強になりました。
投稿: チャコ | 2007/08/09 17:44:18